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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻2号

1988年02月発行

文献概要

トピックス

Osteoclast-activating factor

著者: 佐藤幹二1 藤井裕子2

所属機関: 1東京女子医大内分泌センター 2(財)成長科学協会付属研究所

ページ範囲:P.183 - P.184

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 骨はその強度を保つために,絶えず一部を取り壊しては新たに造り直している.骨を造るのは骨芽細胞(osteoblast)によって行われており,骨を壊すのは破骨細胞(osteoclast)によって行われている.破骨細胞の機能は副甲状腺ホルモン(PTH)や活性型ビタミンDによって刺激され,カルシトニンにより抑制されているが,そのほかにもさまざまな液性因子により調節されているらしい.
 ヒトの末梢単核球(これにはlymphocyteとmonocyteが含まれていることに注意)をphytohemagglutininなどのレクチンで刺激してやると,メジウム中に強力な骨吸収促進因子が産生されてくる.これは当初は単一のlymphokineと考えられており,破骨細胞刺激因子(osteoclast-activating factor;OAF)と呼ばれていた.このOAFが臨床的に注目されてきたのは,白血病や悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に伴う高カルシウム血症に,これらの腫瘍細胞が産生するOAFが関与していると推測されていたからである.OAFの骨吸収活性は非常に強力であるものの,ごくわずかにしか産生されておらず,また骨吸収活性のバイオアッセイが煩雑なため,その精製は遅々として進まず,OAFの本態に関しては一時期,混乱が見られていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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