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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻5号

1988年05月発行

文献概要

検査ファイル 項目

対向流免疫電気泳動法

著者: 中村明1

所属機関: 1千葉大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.450 - P.451

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 1960年代にオーストラリア抗原(HBs抗原)が発見され,HB肝炎の免疫学的診断法としてcounter current immunoelectrophoresis(CIE,対向流免疫電気泳動法)が導入されたのが,近年の微生物抗原の測定による病因診断の端緒であると思われる.HBs抗原検出法としてのCIEは,その後より鋭敏な方法,例えばRIAなどに取って替わられたが,1970年代に入ってから細菌性髄膜炎を代表とする重症細菌感染症の原因菌迅速診断法として用いられるようになった.ほぼ同時期から免疫学的診断法のほかの方法,例えばラテックス凝集反応(latex particle agglutination:LPA),ブドウ球菌共同凝集反応(staphylococcal coagglutination;SCA)などの間接凝集反応も臨床応用されるようになった.
 これらの原因菌迅速診断法の米国における普及は,ほぼ同時期に出現したAmpicillin耐性HaemoPhilusinfluenzaeの全米への流行拡大と軌を一つにしていたかに見える.もちろん,このほかにも免疫学的検査技術の発達,迅速な診断を要求される症例の増加,従来の培養法での診断困難な症例の増加などの要因があったためと推察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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