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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅰ 免疫化学検査の基礎 2・抗原抗体反応の応用

2)エンザイムイムノアッセイ(EIA)

著者: 石川榮治1

所属機関: 1宮崎医科大学生化学教室

ページ範囲:P.586 - P.592

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はじめに
 エンザイムイムノアッセイ(enzyme immunoassay;EIA)は抗原抗体反応を酵素標識の助けにより定量的に追跡して,抗原あるいは抗体を測定する方法の総称である.
 イムノアッセイに用いられる他の標識,例えば放射性同位元素(ラジオアイソトープ),蛍光物質,発光物質,赤血球,ラテックスなどと比べて,酵素は標識としていくつかの利点をもっている.放射性同位元素が人体に有害であり,不安定なため長期保存できないのに対し,酵素は人体に対する危険性はなく,安定であるため長期の保存が可能である.したがって,酵素はだれでも,どこでも容易に使うことができる.放射活性,蛍光,発光などに比べて,酵素活性はより容易に抗原抗体反応に連動させて調節することができるので,簡便で迅速なイムノアッセイの開発が容易である.酵素反応を長時間にわたって行うことにより反応産物を蓄積して,つまり増幅して酵素を検出することができるので,放射性同位元素,蛍光物質,発光物質などに比べてより高感度で検出できる.したがって,ラジオイムノアッセイ(RIA),その他のイムノアッセイより感度の高いイムノアッセイが可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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