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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 1・血漿蛋白 ③補体

b) C1q

著者: 巴山顕次1

所属機関: 1(株)スペシアル レファレンス ラボラトリー

ページ範囲:P.649 - P.651

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 補体は動物の新鮮血清中に存在する古典経路(classical pathway)の補体成分C1〜C9,第2経路(alternative pathway)のB因子,D因子,プロパージン,補体の制御因子のC1インヒビター,C3 bINA,C4b結合蛋白,βIHなどの蛋白質によって構成されている.補体の活性化には,抗原抗体複合体に補体成分のC1,C4,C2,C3,C5,C6,C7,C8,C9の順序で活性化されるclassical pathwayと,細菌の細胞壁などに補体成分のC3,B因子,D因子,C5,C6,C7,C8,C9の順序で活性化されるalternative pathwayがある.これらの二つの反応経路の活性化は,C5bにC6,C7,C8,C9が作用してできたC5b-9複合体は細胞膜を破壊して細胞溶解を起こす.また,この過程で種々の炎症惹起因子を生じる.
 補体第1成分(C1)は,C1q,C1r,C1sの三つの亜成分がCaイオンにより結合している,分子量740,000の高分子である.C1qは抗原抗体複合体の抗体のFc部分に結合し,亜成分のC1r,C1sおよび補体成分のC4〜C9の順序によるclassical pathwayによって活性化される最初の段階に結合する必要な成分で,3種類のポリプペチド鎖から成る,分子量41,000の糖蛋白質である.そして,C1qの血中濃度は慢性関節リウマチ,強皮症などで高く,全身性エリテマトーデス,混合性結合組織病などで低く,病状の経過,臨床診断に活用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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