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免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 2・腫瘍マーカー
②AFP
著者: 遠藤康夫1
所属機関: 1東京大学医学部第一内科
ページ範囲:P.677 - P.679
文献購入ページに移動AFPの産生は生理的には,胎生期にヨークザックおよび胎児肝で行われている.そのほか,わずかであるか胎児消化管でも行われている.出生後はAFP産生は停止しているが,病的状態で再び産生が開始され血中に増加してくるようになる.その代表的な疾患がヨークザック腫瘍と肝細胞癌であり,ほかに胃癌,膵癌(特に肝転移例)の際もまれではあるが血中AFP高値の例がみられる.良性疾患では,肝炎,肝硬変の際に軽度血中AFP増加のみられることがあるが,著しい増加は一般にみられない.ほかに胆道閉鎖症,チロジン血症などの先天性疾患の場合にも血中AFPは増加する.
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