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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 2・腫瘍マーカー

②AFP

著者: 遠藤康夫1

所属機関: 1東京大学医学部第一内科

ページ範囲:P.677 - P.679

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 α-フェトプロテイン(AFP)は分子量が約70,000の糖蛋白で,約4%の糖を含んでいる.森永ら1)によると,AFPは590個のアミノ酸から成り,N末端から232番目のアミノ酸(アスパラギン)の位置に1本のアスパラギン糖鎖を有している.
 AFPの産生は生理的には,胎生期にヨークザックおよび胎児肝で行われている.そのほか,わずかであるか胎児消化管でも行われている.出生後はAFP産生は停止しているが,病的状態で再び産生が開始され血中に増加してくるようになる.その代表的な疾患がヨークザック腫瘍と肝細胞癌であり,ほかに胃癌,膵癌(特に肝転移例)の際もまれではあるが血中AFP高値の例がみられる.良性疾患では,肝炎,肝硬変の際に軽度血中AFP増加のみられることがあるが,著しい増加は一般にみられない.ほかに胆道閉鎖症,チロジン血症などの先天性疾患の場合にも血中AFPは増加する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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