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文献概要
免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 2・腫瘍マーカー
⑨エラスターゼ1
著者: 中島公雄1 馬場純子1
所属機関: 1横須賀共済病院中央検査科
ページ範囲:P.700 - P.701
文献購入ページに移動エラスターゼ1とは
エラスターゼは,結合組織の弾性線維エラスチンを特異的に加水分解する膵外分泌蛋白分解酵素である.ヒトの膵臓には2種類のエラスターゼ,すなわちエラスターゼ1とエラスターゼ2がある.この二つのエラスターゼは,免疫学的にも物理化学的にも異なった性質をもっている.
血中のエラスターゼの測定にはまず酵素学的な測定法が試みられたが,酵素活性阻害物質が流血中に高濃度に存在することなどにより成功するに至らなかった.しかし,1974年Feinsteinらによってヒトの膵からエラスターゼ1が高純度に精製され,さらに1978年大山ら1)によってラジオイムノアッセイ(RIA)法が開発された.その後,この方法を用いた血中エラスターゼ1測定用RIAキットが市販され,急性膵炎,慢性膵炎の診断あるいは経過観察に利用されている.また,エラスターゼ1は厳密には腫瘍マーカーとはいえないが,膵臓症例では随伴性膵炎を反映して異常高値を示す成績から,広義の腫瘍マーカーとして臨床的意義が注目されている.
エラスターゼは,結合組織の弾性線維エラスチンを特異的に加水分解する膵外分泌蛋白分解酵素である.ヒトの膵臓には2種類のエラスターゼ,すなわちエラスターゼ1とエラスターゼ2がある.この二つのエラスターゼは,免疫学的にも物理化学的にも異なった性質をもっている.
血中のエラスターゼの測定にはまず酵素学的な測定法が試みられたが,酵素活性阻害物質が流血中に高濃度に存在することなどにより成功するに至らなかった.しかし,1974年Feinsteinらによってヒトの膵からエラスターゼ1が高純度に精製され,さらに1978年大山ら1)によってラジオイムノアッセイ(RIA)法が開発された.その後,この方法を用いた血中エラスターゼ1測定用RIAキットが市販され,急性膵炎,慢性膵炎の診断あるいは経過観察に利用されている.また,エラスターゼ1は厳密には腫瘍マーカーとはいえないが,膵臓症例では随伴性膵炎を反映して異常高値を示す成績から,広義の腫瘍マーカーとして臨床的意義が注目されている.
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