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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 3・アポ(リポ)蛋白

①アポ(リポ)蛋白の代謝

著者: 武内望1

所属機関: 1愛媛大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.706 - P.710

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 血清リポ蛋白は,電気泳動あるいは比重の差によって幾種類かの成分に分類できる.電気泳動では原点から陽極に向かってカイロミクロン(CM),β-リポ蛋白,プレβ-リポ蛋白,α-リポ蛋白の順に4種類に分けられる.ただし,腸管から吸収された食餌性脂肪の運搬を行うCMは代謝が速いため健常人では食後にのみ検出され,空腹時血清にはほとんど認められない.
 比重による分類は,超遠心で一般の血清蛋白より軽いリポ蛋白を浮上させ,各リポ蛋白の比重の差により分離する方法である.比重の軽い順にCM,超低比重(VLDL;プレβに対応),中間比重(IDL;プレβとβの中間に位置する),低比重(LDL;βリポに対応),高比重(HDL:αリポに対応),および超高比重(VHDL)リポ蛋白に分けられ(図1),さらに,これらの画分は比重のわずかな差によりいくつかの亜画分に分類しうる.またゲル濾過法を適用した高速液体クロマト法では比重の軽いリポ蛋白粒子はサイズが大きいため,上記のリポ蛋白の順序で溶出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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