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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際

4・ウイルス感染症

③HTLV-I

著者: 吉原なみ子1

所属機関: 1国立予防衛生研究所血液製剤部HB抗原室

ページ範囲:P.721 - P.723

文献概要

わが国のHTLV-I検査の状況
 わが国のATLの研究は,熊本大学の高月清教授1)が1977年にATLの疾患を発見し,そのウイルスを京都大学ウイルス研究所の日沼頼夫教授ら2)が間接蛍光抗体法(indirect fluorescence antibody assay;IFA)で発見し,日本,特に九州,四国など南西地方に多い疾患であることを証明したことから飛躍的に発展した.
 ATLはわが国に200〜300万人のキャリアが存在するといわれ,AIDSに比べて高頻度であり,輸血からの感染3)があるため,1986年11月から全国の赤十字血液センターの献血血液はすべてクリーニングを行い,ATLA抗体陰性血液を供給している.現在,信頼できる検査法としてIFAとWestern blottingが用いられている.しかし,これらの方法は培養の設備や検査に多少の熟練を必要とするので,輸血のスクリーニングなど時間に制約のある場合には不向きである.検査法も日本で開発され,キット化され発売されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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