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免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 5・ウイルス以外の感染症
②ASO
著者: 亀子光明1 金井正光2
所属機関: 1信州大学医学部附属病院中央検査部 2信州大学医学部臨床検査医学教室
ページ範囲:P.732 - P.735
文献購入ページに移動溶血性レンサ球菌(以下,溶レン菌)には現在21菌種が認められており,血清学的にI,Jを除くA群からV群の20群に分類される1).このうちA群溶レン菌(化膿レンサ球菌;Streptococcus pyogenes)は化膿性疾患の病原体として大きな意義をもつほか,この菌の感染が先行する非化膿性続発症であるリウマチ熱や糸球体腎炎などの原因となる.臨床的に,溶レン菌感染症を裏づける代表的な血清学的検出法としては,ASO価(抗ストレプトリジンO)測定が,日常検査にもっとも広く用いられている.この測定は,A群溶レン菌の菌体外毒素(溶血毒素)であるストレプトリジンO(SLO)に対する抗体の有無によりA群溶レン菌の感染を判別するものである.溶レン菌感染後のASO価の変動を図12)に,各疾患におけるASO価の異常値を表1に示した.
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