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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 6・自己抗体

②免疫複合物

著者: 手嶋秀毅1

所属機関: 1九州大学医学部心療内科

ページ範囲:P.748 - P.750

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免疫複合物とは
 免疫複合物(immune complex:以下IC)の検出のためにいろいろの方法が考案され,現在では40種以上があるとされる.しかし臨床に応用されているものは実践的な利点から,その中からいくつかの方法が選択されている.ちなみに,測定法を原理で分類すると次のようになる.①物理化学的方法(ポリエチレングリコールなどでICを沈殿,分離させる),②補体を利用する方法(C1q,C3,コングルチニンなどでICを付着させる),③リウマチ因子(RF)を利用する方法(RFがヒトのアグリゲートグロブリンやICと結合することを利用する.RFが125I標識アグリゲートグロブリンに結合するのをICが阻止する比率をみる),④細胞を利用するもの(Raji細胞,ヒト赤血球,血小板などの補体レセプターやFcレセプターを介して,ICを付着したり,血球の凝集反応を見たりする)などがある.
 この中で臨床に多く利用されるものは,近年ではC1q固相ラジオイムノアッセイ(C1q solid phaseradioimmunoassay;C1q-SPRIA)あるいはエンザイムイムノアッセイ(EIA)であり,ほかにもC1qを用いた方法が多くあるが,単にC1q法といえば本法を意味するようになった(以前はC1qバインディングアッセイであった).以下,本法の測定法とその臨床結果について述べるが,ほかにICに付着しているC3を媒介とした測定法としてRaji細胞やコングルチニン,抗C3抗体を用いた方法の原理の説明を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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