文献詳細
免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
7・凝固・線溶因子
文献概要
α2-プラスミンインヒビター(α2PI)は,1976年,青木ら1)によってα2-グロブリン分画から単離された,分子量67,000の糖蛋白質であり,肝臓で産生される.生理的にはプラスミンに対し即効的な阻害作用を示すことにより,線溶系の調節をつかさどっている.したがって,α2PIの測定は線溶系の動態を把握する場合,あるいは血栓症の原因精査において必須な検査である.
α2PIに対しては一般的には発色性合成基質を用いた測定方法がスクリーニング検査として広く実施されているが,最近,α2PIの先天的欠損症2)およびα2PIの分子構造異常3)に伴う出血性素因ならびに血栓症の報告もあるため,α2PIの蛋白量としての定量および蛋白分析は重要となっている.最近ではモノクローナル抗体の開発も著しく,血中遊離のα2PI量およびα2PIプラスミン複合体の定量化など,微量でしかも生体内における生理作用の詳細が客観的に評価できるようになっている4).
α2PIに対しては一般的には発色性合成基質を用いた測定方法がスクリーニング検査として広く実施されているが,最近,α2PIの先天的欠損症2)およびα2PIの分子構造異常3)に伴う出血性素因ならびに血栓症の報告もあるため,α2PIの蛋白量としての定量および蛋白分析は重要となっている.最近ではモノクローナル抗体の開発も著しく,血中遊離のα2PI量およびα2PIプラスミン複合体の定量化など,微量でしかも生体内における生理作用の詳細が客観的に評価できるようになっている4).
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