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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際

7・凝固・線溶因子

⑧第Ⅷ因子

著者: 吉岡章1

所属機関: 1奈良県立医科大学小児科

ページ範囲:P.780 - P.782

文献概要

第Ⅷ因子とは
 第Ⅷ因子(F.Ⅷ)は伴性劣性遺伝性の血友病Aにおいて先天性に量的,質的欠陥を示す血液凝固因子である.その構造は2,332個のアミノ酸から成る,分子量330kD(キロダルトン)の1本鎖糖蛋白である.F.ⅧはX染色体支配下におそらく肝臓で産生され,その生物学的機能として活性化第IX因子(F.IXa)/リン脂質/Ca2+と複合体を形成し,第X因子を活性化させる凝固機能(第Ⅷ因子凝固活性;F.Ⅷ:C)を有している.また,F.Ⅷ蛋白は免疫学的手法に基づく定量が可能で,第Ⅷ因子抗原(F.Ⅷ:Ag;かつてⅧCAgと呼ばれた)と呼称される.
 このF.Ⅷは正常血漿中では常染色体支配下に産生されるvon Willebrand因子(vWF)と非共有結合下に複合体を形成しており,第Ⅷ因子/von Willebrand因子複合体(F.Ⅷ/vWF)と呼ばれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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