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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査 わだい

クライオグロブリンの測定系への干渉

著者: 橋本寿美子1

所属機関: 1日本大学板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.790 - P.790

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 血清検体を37℃以上に加温するかまたは37℃以下に冷却した場合に,凝固,ゲル化,沈殿形成などの肉眼的変化を示す蛋白を総称してthermoproteinと呼ぶ.クライオグロブリンの温度変化は一般的に可逆的であり,37℃以下に冷却した場合に白濁沈殿やゲル化を起こし,37℃に加温することによって再溶解する.
 クライオグロブリンが白濁やゲル化などの性状変化を起こす温度は個々の症例によって大きく異なるが,通常の臨床検査業務が行われる温度条件下でも性状変化を示すクライオグロブリンの存在することは,それほどまれなことではなく,これらの検体は種々の測定系に干渉作用を示し,誤った測定結果を与えることがある.Cryoprecipitateを形成し始める温度は沈殿物量と密接な関係があり,沈殿物量はそのタイプに依存するところ3,4)が大きい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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