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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 8・ホルモン B 甲状腺ホルモン

③遊離T4,遊離T3

著者: 酒井倫子1 金井正光2

所属機関: 1信州大学医学部附属病院中央検査部 2信州大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.815 - P.817

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 血中の大部分のT3,T4は結合蛋白(TBP)と結合しており,生体内で直接代謝に関与する遊離型はT3の0.2%,T4の0.02%にすぎない,また,その測定値は,結合蛋白異常でも臨床症状をよく反映し,甲状腺機能の指標として重要である.
 遊離T4の測定は従来,平衡透析法1),ゲル濾過法2),限外濾過法3)などで行われてきたが,方法が煩雑であるため,一般化は困難であった.1980年代に入ってから,さまざまな原理のRIAが開発され,検討がなされてきたが4,5),最近は抗T4抗体と強い親和性を持つがTBGとは結合しないT4誘導体を標識物質として用いた競合反応法が主流を占めている.遊離T3についても同様の測定法が開発されている.また,同様の原理を応用したnon RIA測定法も開発されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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