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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際

8・ホルモン E 副腎皮質ホルモン

③コルチゾール

著者: 木野内喬1 清水直容1

所属機関: 1帝京大学医学部第三内科

ページ範囲:P.842 - P.844

文献概要

 コルチゾールは副腎皮質束状層および一部網状層において合成される代表的な糖質コルチコイドの一つで,その分泌は主として下垂体前葉ホルモンであるACTHによって調節されている.したがって,コルチゾールの血中濃度および尿中排泄量の測定は,各種副腎皮質疾患の診断はもとより,視床下部-下垂体-副腎皮質系の機能の検索にもきわめて有用である.
 コルチゾールの分泌量は,その代謝産物である17-OHCSもしくは17-KGSの尿中排泄量を化学的に測定することにより推測されてきた.一方,血中コルチゾール濃度の測定は,古くはもっぱら化学的方法によっていたが,感度,特異性,精度,簡便さのいずれの点においても満足できるものではなかった.その後1963年,Murphyら1)によって,コルチコステロイド結合蛋白(CBG)を利用したcompetitive protein binding assay(CPBA)が開発されて初めて,コルチゾールの微量定量法が確立されたといえる.しかし,CBGは特異性に乏しく,結合能も低いため,CPBA法によるコルチゾールの測定には煩雑な操作を必要とした.次いでCBGの代わりに,コルチゾールに対する抗体を用いたbinding assayすなわちラジオイムノアッセイ(RIA)が登場することによって,その測定がきわめて容易になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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