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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 8・ホルモン G 膵・消化管ホルモン

②インスリン

著者: 上野芳人1

所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院中央検査部

ページ範囲:P.865 - P.867

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インスリンとは
 インスリンは膵β細胞から分泌され,糖代謝の調節に重要な役割を果たすホルモンである.したがって血中インスリンの測定は,糖尿病などの糖代謝障害の診断および病態の把握,二次性糖尿病との鑑別,インスリノーマをはじめとする低血糖症の診断と鑑別に欠かすことのできないものである.
 インスリンはBersonとYalow1)によるラジオイムノアッセイ(RIA)によって初めて測定されたホルモンであり,以後,RIA法による測定が一般に広く用いられている.一方,放射性物質を用いずに酵素を標識物とする酵素免疫測定法(EIA)が開発されたが,これは特殊な測定機器を必要とせず,放射線障害の危険性がないという点ではRIA法に比して優れており,今後さらに普及するものと考えられる.インスリンの測定法は生物学的測定法(bioassay),免疫学的測定法(immunoassay),受容体を利用したラジオレセプターアッセイ(radioreceptor assay)に大きく分けられる.本稿では操作が簡便で感度が高く微量測定の可能なRIA法ならびにEIA法について記述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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