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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際

8・ホルモン H その他

①レニン—血漿レニン活性を中心として

著者: 小平司1

所属機関: 1大塚製薬(株)大塚アッセイ研究所検査部

ページ範囲:P.877 - P.879

文献概要

レニンとは
 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系は,生理的に血圧やNaの調節を受け持っている系であるとともに,カリクレイン-キニン系ともかかわりを持つ系でもある.腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるレニンは分子量約40,000で,弱酸性の至適pHを持つ蛋白質分解酵素の一つであり,肝臓で生成されてα2-グロブリン分画中に存在するレニン基質(アンジオテンシノーゲン)に作用して,10個のアミノ酸から成るアンジオテンシンI(Ang I)を産生する.レニンの基質特異性は高くLeu-Leuの間しか加水分解できない.Ang Iはアンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用でアミノ酸2個を切断してアンジオテンシンII(Ang II)に変化する.さらにAng IIはアミノペプチダーゼにより,末端のアミノ酸が一つ切断されてアンジオテンシンIII(Ang III)となる(図1).
 レニン,Ang Iはどちらもそれ自体は昇圧作用を持たないが,Ang IIとIIIが末梢静脈中に強い収縮作用を起こして著しい昇圧作用を示し,また副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を増加させる.このアルドステロンの分泌増加は腎尿細管からのNaの貯留を促す.さらにAng IIIはアンジオテンシナーゼにより分解されて,不活性物質となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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