icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻7号

1988年06月発行

文献概要

免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際 8・ホルモン H その他

④エリスロポエチン

著者: 加納康彦1 阿久津美百生1

所属機関: 1栃木県立がんセンター内科

ページ範囲:P.884 - P.886

文献購入ページに移動
エリスロポエチンとは
 エリスロポエチン(EPO)は赤血球の産生を調節している,分子量35,000の糖蛋白である.80年前すでにその存在が指摘されていたが,ヒトのEPOの純化は1977年になって初めて成功し1),さらに1985年EPO遺伝子のクローニングに成功した2,3)
 EPOは主に腎臓で,一部は肝臓で産生されていると考えられているが,詳しいことはまだわかっていない.
 赤血球は図1に示すように多能性幹細胞(CFU. S)から前期赤芽球系前駆細胞(BFU・E),さらに後期赤芽球系前駆細胞(CFU-E)へと分化する4)
 CFU-SからBFU. Eへの分化にはburst promoting factor(BPF)が働くが,これは最近インターロイキン3(IL. 3)と同一物質であることが判明した.EPOはこれより成熟したCFU-Eのレベルで赤血球の分化に働き,前赤芽球,赤芽球を経て赤血球へと誘導すると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?