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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻8号

1988年07月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

尿沈渣と接眼レンズの視野数

著者: 今井宣子

所属機関:

ページ範囲:P.949 - P.949

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 先日,近隣17施設を対象に尿沈渣のコントロールサーベイを行った.固定赤血球を添加したプール尿を各施設へ配布し,各施設の方法に従って測定してもらい,強拡大1視野(以下HPF)あたりの平均赤血球数を報告してもらった.その結果,17施設の全平均値は22.5/HPF,CVは59%であった.
 ところで,これら17施設中1施設だけ極端な高値を示す施設があった.つまり,この施設は平均値を52/HPFと報告してきたのである.これは明らかに異常値であると思われたので,その原因を追求してみた.しかし,スピッツの形状,採尿量,遠心条件,残渣量,染色法,1滴量などに関しては何も問題はなかった.さらに各ステップごとに一つ一つ洗い直していったところ,その原因は顕微鏡の接眼レンズにあることがわかった.すなわち,この施設では接眼レンズに視野数26.5の超広視野レンズを用いていたために,全平均値よりも約2倍の高値を示してしまったというわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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