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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻8号

1988年07月発行

文献概要

検査ファイル 項目

NAGビブリオ

著者: 児玉博英1

所属機関: 1富山県衛生研究所・細菌部

ページ範囲:P.966 - P.967

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 NAGビブリオというのは,現在は行政上用いられる名称であって,単一の菌種を指すものではない.これには,Vibrio cholerae non-O1(コレラ菌と同一の性状を示すが,コレラ菌診断用混合血清に凝集しないO1以外の血清型1),以下V. c. non-O1)と,従来白糖非分解NAGと称されたVibrio mimicus(以下V. m.)が含まれる.
 V. c. non-O1は,コレラ常在地では以前からコレラ様下痢症の原因菌として知られ,日本では海外旅行後の下痢症患者からしばしば分離されている.しかし,1980年代に入ると,国内感染と思われる本菌やV. m. による食中毒事例が報告され2),これらの菌は食品衛生関係者にも注目されるようになった.厚生省は1982年3月,これらの菌による急性胃腸炎または下痢症を食中毒扱いとした(環食,第59号).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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