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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻8号

1988年07月発行

文献概要

トピックス

イオンチャネルの分子構造

著者: 中山仁1

所属機関: 1北大薬学部

ページ範囲:P.976 - P.977

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 細胞の情報伝達機構の一つに,細胞膜上でのイオンの選択的出入りによるものがある.この選択的イオン透過を行う分子がイオンチヤネルで,透過するイオン種に対応してNa,Ca2+,K,あるいはClチャネルなどと呼ばれる.イオンチャネルがもっとも発達しているのは神経や筋肉などの興奮性膜で,NaチャネルやCa2+チャネルの寄与が大きい.興奮性膜とは,細胞膜電位に依存して開閉するチャネルをもつ生体膜である.これはもう一つのイオンチャネル,すなわち,その開閉が膜電位依存ではなく,神経伝達物質などのリガンドの結合でコントロールされているものと区別される.
 最近,これらイオンチャネルの分子構造が,遺伝子工学的手法によって相次いで明らかにされた.電位依存性のものではNaチャネル1),Ca2+チャネル2),Kチャネル3)であり,また後者の例としてニコチン性アセチルコリン受容体(分子内にNaおよびKチャネル機能を含む)のほかに,GABA受容体4)やグリシン受容体のようにClチャネル機能と連関したものがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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