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S100陽性Tリンパ球
著者: 高橋聖之1
所属機関: 1高知医大第2病理学
ページ範囲:P.977 - P.978
文献購入ページに移動 S100蛋白はカルシウム結合蛋白の一つで,機能は不明ながらも,そのきわめて特徴的な臓器組織内分布と,抗原性としての高度な安定性ゆえに,病理組織診断上もっとも重要なマーカーの一つとなっているが,この点は他書に譲るとして,筆者らが進めている研究を紹介する.
ヒトの末梢血Tリンパ球の中にS100蛋白を含有する特異なサブセットが存在する1).このS100陽性Tリンパ球(S100 TL)はsuppressor/cytotoxic T細胞に属し,健康人の末梢血全リンパ球の2〜10%を占めている2).興味深いことに,S100 TLは進行癌患者の末梢血では非常な減少傾向にあり2),この事実はS100 TLがなんらかの抗腫瘍性を有しており,その減少と癌の進展が関連するのではないかとの推測を生み出す.
ヒトの末梢血Tリンパ球の中にS100蛋白を含有する特異なサブセットが存在する1).このS100陽性Tリンパ球(S100 TL)はsuppressor/cytotoxic T細胞に属し,健康人の末梢血全リンパ球の2〜10%を占めている2).興味深いことに,S100 TLは進行癌患者の末梢血では非常な減少傾向にあり2),この事実はS100 TLがなんらかの抗腫瘍性を有しており,その減少と癌の進展が関連するのではないかとの推測を生み出す.
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