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検査法の基礎理論
生体の物性4—熱特性
著者: 金井寛1
所属機関: 1上智大学理工学部
ページ範囲:P.1057 - P.1060
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体温は安静時にはきわめてよく一定値に制御されているので,病気のような異常な場合の診断によく使用される.体温の調節は産熱と放熱が一定温度で平衡するように制御されており,生体システムとして興味深い.一方,産熱と放熱の間の熱輸送は組織の熱伝導と血流によっている.一般には血流による熱輸送が支配的で,体温調節に重要な役割を有している.最近,医用生体工学の分野で,熱を利用する計測・治療法が開発されるようになってきた.熱による血流計測やハイパーサーミアによる癌治療,電気メスやレーザーメスなどが代表的な例である.このような分野の研究開発には,上述した生理学的な熱特性のほか,生体の受動的な熱特性を知ることが必要である.
本稿ではこのような点を考慮し,産熱と放熱および調節の問題と生体の熱特牲について概説した.読者の興味が得られれば幸いである.
体温は安静時にはきわめてよく一定値に制御されているので,病気のような異常な場合の診断によく使用される.体温の調節は産熱と放熱が一定温度で平衡するように制御されており,生体システムとして興味深い.一方,産熱と放熱の間の熱輸送は組織の熱伝導と血流によっている.一般には血流による熱輸送が支配的で,体温調節に重要な役割を有している.最近,医用生体工学の分野で,熱を利用する計測・治療法が開発されるようになってきた.熱による血流計測やハイパーサーミアによる癌治療,電気メスやレーザーメスなどが代表的な例である.このような分野の研究開発には,上述した生理学的な熱特性のほか,生体の受動的な熱特性を知ることが必要である.
本稿ではこのような点を考慮し,産熱と放熱および調節の問題と生体の熱特牲について概説した.読者の興味が得られれば幸いである.
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