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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻9号

1988年08月発行

文献概要

マスターしよう検査技術

血小板機能検査法—採血から粘着能測定まで

著者: 稲垣稔1 小佐野満1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部小児科

ページ範囲:P.1089 - P.1093

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 血小板は凝固系とともに血栓形成ならびに止血機構において重要な位置を占めている.血小板機能は大別すると粘着,放出,凝集の三つから成り立っている.血管壁がなんらかの損傷を受けると内皮下組織が露出し,そこに血小板が粘着する.活性化した粘着血小板はADP, ATP,セロトニンなどのさまざまな物質を放出するが,さらに,これらの物質が他の血小板を活性化し凝集を起こし,血小板血栓が形成される(図1).臨床的には各種出血性疾患の検索,血栓性疾患の把握などにおいて血小板機能の検査は重要で,血小板数,出血時間の測定に血小板機能検査法を加えることにより血小板の量的,質的異常をとらえることが可能となる.アグリゴメーターの普及によって凝集能の測定が広く実施されるようになった今,日常検査としての血小板機能検査法について実際面から解説してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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