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オピオイドレセプター
著者: 植田弘師1
所属機関: 1京大薬学部
ページ範囲:P.1110 - P.1110
文献購入ページに移動 オピオイドレセプターは元来,阿片アルカロイドの一つであるモルヒネ,あるいはその拮抗薬であるナロキソンが特異的に結合するレセプターであると定義されてきた.その後,脳組織から内因性のオピォイドペプチド(エンケファリン,ダイノルフィン,β-エンドルフィン)が発見され,それらが結合するレセプターであると定義されるように変わってきた.現在,オピオイドレセプターは主にμ,δおよびκの3種のサブタイプに分類され,またそれぞれのサブタイプと内因性オピオイドとの相関についても報告がなされているが,一対一の相関はなさそうである(詳しくは総説1)参照).
これらサブタイプのうち,麻薬性鎮痛作用ともっとも深い関係にあるのがμ-レセプターであり,このサブタイプのレセプターの研究がもっともよく進んでいる.μ-レセプターの脳組織からの精製の報告もいくつかなされている1)が,現在まだ一次構造の解明には至っていない.筆者らも,ラット脳からモルヒネのアフィニティークロマトグラフィーを用いてμ-レセプターを精製し,さらに親和性架橋実験により分子量58000の大きさの蛋白であることを同定している2).
これらサブタイプのうち,麻薬性鎮痛作用ともっとも深い関係にあるのがμ-レセプターであり,このサブタイプのレセプターの研究がもっともよく進んでいる.μ-レセプターの脳組織からの精製の報告もいくつかなされている1)が,現在まだ一次構造の解明には至っていない.筆者らも,ラット脳からモルヒネのアフィニティークロマトグラフィーを用いてμ-レセプターを精製し,さらに親和性架橋実験により分子量58000の大きさの蛋白であることを同定している2).
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