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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻9号

1988年08月発行

文献概要

やさしい統計のはなし・8

検定と信頼区間(2)

著者: 大橋靖雄1

所属機関: 1東京大学医学剖附属病院中央医療情報部

ページ範囲:P.1112 - P.1114

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 検査技師 前回は相関係数γの検定の話だったのですが,検定はわからないところだらけなので,たくさん質問したいと思います.まず,「統計的に有意」ということを文字どおりに「意味がある」と考えてよいのか.ρ値を計算するのに,どうして両側の面積を足すのか(前回図5参照).t分布の表をひくのがやっかいなので,もっと簡単な方法はないのか.ここでは相関の有無の検定に積率相関係数γを用いましたが,前に習った順位相関係数を用いられるのか.検定の前提として,《2変量正規分布》を仮定しましたが,その検証はどうするのか.
 統計家 答えやすい最後のほうから答えましょう.2変量正規分布に従うかどうかを検定する統計的方法というのもありうるわけですが,実際には,散布図を見て,クラスターや曲線的な関連,外れ値がなければよしとしています.安全を期したい場合には,正規性を前提とはしていない順位相関係数を使って《独立性》の検定を行うこともあります.ちゃんとした統計パッケージなら,スピアマンやケンドールの順位相関係数を用いた独立性の検定機能ぐらいはついています.t表を用いない方法としては,次のz変換が有名です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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