icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻1号

1989年01月発行

文献概要

技術講座 輸血

Type and Screen

著者: 神田靖男1 馬場真澄2

所属機関: 1日本大学医学部附属板橋病院輸血室 2日本大学医学部第一内科

ページ範囲:P.31 - P.36

文献購入ページに移動
サマリー
 人にはそれぞれ固有の血液型がある.同時に血漿中(血清)には,一定の法則のもとに通常だれでも持っている抗体(主として抗A,抗B)と,法則に従わず,まれに別の抗体を持っていることがある,この抗体は一般的に不規則性抗体と呼ばれている.この抗体は輸血や妊娠などの免疫感作の結果産生される免疫抗体(IgG型)と,免疫感作を伴わない自然抗体(主にIgM型)に区別される.さらに特殊な例として,自己の赤血球と反応する自己抗体がある.また,輸血に際して行う検査には,患者(受血者)と供血者の血液を直接反応させて適合か否かを試験管で行う交差試験がある.しかしながら,使用する供血者血液の被凝集性に"ムラ"があり,同じ条件で検査を行っても反応性の統一は難しい.そこで前もって比較的被凝集性の保持された赤血球(多くは市販品)を用いて患者,または供血者の血液型と抗体検査を何種類かの検査方法を組み合わせて行い,実際に血液が必要になったとき,簡単な交差試験を行った後,血液を供給する"Type and Screen"(以下,T & S)がある.
 そこでT & Sの方法と実際の効果について記述した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?