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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻1号

1989年01月発行

文献概要

マスターしよう検査技術

コントロール尿の自家調製法と使いかた

著者: 五十嵐すみ子12 島崎道広2

所属機関: 1(財)神奈川県予防医学協会臨床検査部 2(財)神奈川県予防医学協会検査第二部

ページ範囲:P.57 - P.62

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 今日,一般尿検査は患者および健康診査のスクリーニング検査として広く実施されており,そのほとんどが試験紙を用いている.しかし,尿試験紙はその感度,特異度,呈色調とカラーチャートとの関係がメーカー別,ロット別に異なる例が多い.尿試験紙の精度管理法を筆者らは提唱し1,2),その問題点を指摘してきた3,4).またわれわれは,コンロール尿を作製し使用してきたが,溶解液としてプール尿を用いて作製していたので簡便さに欠けていたためか,その普及が困難であった.そこで尿試験紙の呈色度とカラーチャートとの一致,再現性,ロット間差,感度低下などをチェックするために,新しいコントロール尿を作製し使用している5〜9).市販のコントロール尿は蛋白,糖,潜血の呈色濃度が(++)〜(+++)に調整してあるものが多い.試験紙の感度低下により(+)が(-)になったのか(±)になったのかを見るためのチェックには役だちにくい.われわれの作製したコントロール尿は,試験紙の反応が(+)を示す濃度になるように作ったものである.コントロール尿は表2に示すように,実際の尿で作ったプール尿と比較すると比重,浸透圧が低いために糖と潜血の反応が強くなってしまうので,成分量を調節して作ったものである.今回は,プール尿を用いた各種標準液の調製法,各種試験紙の検定方法を併せて解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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