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コアグラーゼ陰性ブドウ球菌
著者: 黒坂公生1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学臨床検査医学教室
ページ範囲:P.66 - P.67
文献購入ページに移動 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(以下,CNS)は1957年に出された第7版の"Bergey's Manual of Determinative Bacteriology"では,Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)という名前のもとに一括されて,非病原菌とみなされていた.その後,分類学に菌の生物学的性状よりも,染色体DNAの異同のほうが信頼性の高い分類法であるとの考えが取り入れられるようになった.そして1974年に出された第8版の"Bergey's Manual"では,CNSがS. epidermidisとS. saprophyticus(腐生ブドウ球菌)の二つに分けられるようになった.
さらに1986年に出された"Bergey's Manual of Systematic Bacteriology"1)では,ブドウ球菌は表1のように19菌種に分けられるようになった.これらのうちヒトに寄生する菌種は,CNSについてはS. epidermidisをはじめとする11菌種である.これら11菌種は,一方では皮膚や粘膜に常在菌として多数生息している.他方,白血病患者や異物を挿入した個体において,日和見感染菌として病原性を発揮する.その多くは,S. epidermidisによるものであるが,S. saprophyticusが若い女性の急性膀胱炎の原因菌として注目されている.
さらに1986年に出された"Bergey's Manual of Systematic Bacteriology"1)では,ブドウ球菌は表1のように19菌種に分けられるようになった.これらのうちヒトに寄生する菌種は,CNSについてはS. epidermidisをはじめとする11菌種である.これら11菌種は,一方では皮膚や粘膜に常在菌として多数生息している.他方,白血病患者や異物を挿入した個体において,日和見感染菌として病原性を発揮する.その多くは,S. epidermidisによるものであるが,S. saprophyticusが若い女性の急性膀胱炎の原因菌として注目されている.
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