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文献概要
検査法の基礎理論
髄液培養
著者: 中村明1 川上浩2
所属機関: 1千葉県こども病院感染症科 2千葉県こども病院検査科
ページ範囲:P.1279 - P.1284
文献購入ページに移動わが国の細菌性髄膜炎主要原因菌は,3か月未満児ではB群溶血レンサ球菌(Group B streptococcus;GBS)とEscherichia coli,3か月以上ではHaemophitusinfiuenzaeとStreptococcus pneumoniaeであり,欧米などと比較するとNeisseria meningitidisの関与は少ない.Listeria monocytogenesは現状ではアミノベンジルペニシリン(アンピシリン:ABPC)のみが有効であり,欧米と異なり乳幼児期の発症が多い.
近年簡便な免疫学的方法による迅速病因診断が導入されつつあるが,その限界をわきまえて施行するならば,先行抗生剤投与による培養陰性例の病因診断やペニシリン(PC)耐性が問題化しつつあるS.pneumoniae例における抗生剤選択や投与量の決定においてきわめて有用である.
培養法で注意すべきは,N.meningitidisが低温に弱いこと,S.pneumoniaeではオキサシリン(MPIPC)ディスク感受性を必ずチェックする,などである.
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