icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻10号

1989年09月発行

文献概要

トピックス

注目される日和見感染原因菌Protomonas extorquens

著者: 古畑勝則1 小池和子2

所属機関: 1筑波大環境科学 2筑波大社会医学系

ページ範囲:P.1346 - P.1348

文献購入ページに移動
 Protomonas extorquensという菌種は,臨床検査ではなじみのない細菌の一つであると思われる.従来,本菌はVibrio extorquens,Pseudomonas extorquensあるいはPseudomonas mesophilicaなど,さまざまな菌種名で報告されてきた。ところが1984年にUrakamiとKomagataは,これらの細菌群をProtomonasという新しい属に分類し,そのtype speciesをR. extorquensとすることを提唱した1).これらの菌種はメタノールを利用することができるという共通の性状を持つため,メタノール資化性細菌として微生物蛋白(SCR)に関する工業的な利用の面では古くから知られていた.
 本菌は元来,土壌や河川水など自然界に広く分布している菌種である.われわれは以前から飲料用タンク水(水道水)から高頻度に本菌を検出しており,これらについて検討してきた2).1985年から1986年にかけて,タンク水500試料について細菌検査を行ったところ,水道法水質基準に適合し,かつ残留塩素が0.1mg/l以上存在していたタンク水の52%から本菌が検出され,最高菌数は1.5×102CFU/mlであった2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら