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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻10号

1989年09月発行

けんさ質問箱

尿沈渣中のビリルビン結晶

著者: 斉藤由喜子1 N子

所属機関: 1帝京大学病院中検

ページ範囲:P.1350 - P.1351

文献概要

問 定性試験(ジアゾ化法〔試験法〕による)で尿ビリルビン陰性,血清ビリルビンも正常で,尿沈渣中にビリルビン結晶をみることがあります.微量ですが,白血球内に貧食されているので,ビリルビン結晶に間違いないと思います.このようなことはあるのでしょうか.あるとすれば,どのように考えたらよいのでしょうか.(金沢県・N子)
答 尿沈渣でビリルビン結晶を認め,定性検査で陰性あるいは偽陰性であり,血清ビリルビン値も正常値内であるという症例は,経験します.ビリルビンが微量でも結晶化したことを示していますが,白血球や上皮細胞にほんのわずかビリルビン結晶またはビリルビン顆粒が付着している程度で,細胞成分の黄染は認められないことが多いようです.このような症例の場合,数日前あるいは数日後に尿定性ビリルビン陽性または血清直接ビリルビン値が高値を示しており,尿沈渣ビリルビン結晶のみが認められ,他の検査所見はすべて正常ということはありません.また新生児黄疸では,尿沈渣中にビリルビン結晶を認め,細胞も黄染していても定性検査で陰性のことが多いです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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