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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻11号

1989年10月発行

技術講座 細菌

Campylobacter pyloriの分離・同定

著者: 深見トシヱ1

所属機関: 1(株)エス アール エル細胞形態部細菌課

ページ範囲:P.1389 - P.1394

文献概要

サマリー
 Campylobacter pyloriは,比較的近年の1983年,WarrenおよびMarshallが,胃炎患者の胃粘膜から初めて分離培養に成功した細菌である.その後,この菌は世界各国で追試され,前庭部胃炎から高率に検出されることが判明した.しかしながら,その病原性およびこの細菌がヒトの胃に侵入し定着する経路は現在のところ不明とされている.また,わが国でも胃疾患とC. pyloriの関連について多くの施設で検討がなされ,注目されている.C. pyloriはグラム陰性の,彎曲した無芽胞桿菌で,微好気性菌である.検体は主に患者の胃生検材料と胃液であるが,胃液からの検出率は生検材料よりは低い.分離培養は微好気高湿度環境下,37℃,3〜5日間と長期である.検査材料からの直接分離培養にはスキロー培地が多く使用されているが,市販のスキロー培地にはC. pyloriの発育支持能を持たない製品があり,注意が必要である.腸炎起炎菌のC. jejuniとの相違点を比較しながら,C. pylori分離と同定の技術について解説を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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