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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻11号

1989年10月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

異常値が出たとき[2]—カリウム(2)

著者: 伏見了1

所属機関: 1阪大病院中検

ページ範囲:P.1409 - P.1409

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 臨床側のミスによりカリウムが異常高値を示す以下の場合.
 1)各種輸液の混入.2)血球算定用採血管などに分注した血液の混入.3)血液試料を冷蔵庫に保存した場合.今回は2),3)に関し説明する(1)は9月号を参照).各種検査にはそれぞれ専用の採血管(血糖測定用には解糖阻止剤の添加,アンモニア測定用にはヘパリン,血球算定用にはEDTA-2K,3Kなど)が必要であり,一人の患者について一般的なひと通りの検査をする場合,5〜6本の内容の異なる採血管が必要である.医師または看護婦が検査依頼を確認しながらそれぞれの採血管に血液を分注するが,検査に必要な採血量の混乱から,一度分注した採血管から他の採血管に血液を移す場合がある.EDTA-2K,3K入りの採血管に分注した血液を他の採血管に移し,その血液試料にてカリウムを測定した場合,カリウムが異常高値となるのは当然である.この場合のチェック法としては,カリウムの再検査だけでなくグルコース,総蛋白質,カルシウムを測定することである(9月号参照).グルコース,総蛋白質濃度が生理的範囲内であるのに対し,カルシウム測定値が測定感度以下または下限であればEDTA塩の混入と決めて間違いはない.この場合も前回同様,主治医に対し注意を促すことは当然である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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