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レチノール結合蛋白
著者: 奥野正隆1 金井正光2
所属機関: 1岐阜大学医学部臨床検査医学講座 2信州大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.1426 - P.1427
文献購入ページに移動レチノール結合蛋白(retinol-binding protein:RBP)は血漿中レチノールの特異的輸送蛋白であり,1968年Kanaiらにより報告1)されて以来,代謝経路・臨床的意義につき多くの実りある解明が成されてきた2〜4).RBPは分子量21kDaの低分子蛋白であり,主に肝で合成され,肝実質細胞内でレチノールと1:1結合し,分泌される.血中ではさらにTTR(transthyretin;旧名prealbumin)と1:1結合することにより,分子量76kDaの複合体を形成し存在している.しかし,末梢の標的細胞にレチノールを渡した後,RBPはTTRとの結合性を失って急速に腎糸球体から原尿へと排泄され,尿細管で再吸収を受けて分解されるため,血中半減期は約14時間と短くrapid turnover proteinとしての性格を有する.このようにRBPはその特異な代謝動態を有し,単にビタミン研究のみならず,肝胆道系および腎疾患,栄養学的指標として臨床の場で注目されている.
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