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病理解剖(剖検)
著者: 森田豊彦1
所属機関: 1浜松医科大学第1病理学教室
ページ範囲:P.1432 - P.1433
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「病理解剖(剖検)は病理学の基礎である」(Aschoff,1866〜1942)とされるが,ルネッサンス以降,特に18世紀に確立された病理解剖学は臨床経過・症状と病理所見の対比の積み重ねにより,病理学だけでなく近代医学の基礎としてその進歩に貢献してきた.
最近は外科手術が安全になり,放射線診断機械,各種方法論や技術の進歩により個々人の疾患の概略が把握されやすくなっており,遺族の承諾を必要とし,労の多い剖検に期待する部分が減少している.剖検例の絶対数および剖検率の低下は世界的な傾向である.しかし,剖検は形態による質的診断ができ,生検や手術材料に比して情報量も多い.病理側も周辺の技術の進歩を積極的に導入し,剖検の意義を高める必要がある.
「病理解剖(剖検)は病理学の基礎である」(Aschoff,1866〜1942)とされるが,ルネッサンス以降,特に18世紀に確立された病理解剖学は臨床経過・症状と病理所見の対比の積み重ねにより,病理学だけでなく近代医学の基礎としてその進歩に貢献してきた.
最近は外科手術が安全になり,放射線診断機械,各種方法論や技術の進歩により個々人の疾患の概略が把握されやすくなっており,遺族の承諾を必要とし,労の多い剖検に期待する部分が減少している.剖検例の絶対数および剖検率の低下は世界的な傾向である.しかし,剖検は形態による質的診断ができ,生検や手術材料に比して情報量も多い.病理側も周辺の技術の進歩を積極的に導入し,剖検の意義を高める必要がある.
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