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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻11号

1989年10月発行

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トピックス

TIL療法

著者: 関根暉彬1

所属機関: 1国立がんセンター研究所共通実験室

ページ範囲:P.1440 - P.1441

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 癌組織にリンパ球が多数浸潤している像はよく観察されるが,これらのリンパ球は,担癌生体が癌細胞に対して免疫反応を示した結果であると理解されている.したがって,この腫瘍浸潤リンパ球(tumor-infiltrating lymphocytes;TIL)を切除した癌組織から分離し,培養増殖させた後,再び癌患者へ戻すことができれば,強い抗腫瘍活性が発揮されると期待されてきた.リコンビナントインターロイキン2(rIL-2)が入手できるようになった現在,この期待が現実のものとなってきた.
 動物実験では,これまで用いられてきたLAK(lymphokine-activated killer)細胞(末梢血リンパ球を比較的高濃度のrIL-2で数日間培養し活性化させた細胞,活性の主体はNK細胞と考えられている)に比べ,TILはin vivoにおいて約100倍の効果のあることが示された1).加うるに,二つの技術的な進歩があったことにより,TIL療法について実際に進行癌の治療法として評価をするための第II相試験が始められた2〜4).その技術的進歩とは,無血清培地(AIM-V)およびgas-permeabl eculture bagの実用化である5).この組み合わせにより,1010〜1011個のTILの入手が容易となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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