icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻11号

1989年10月発行

文献概要

トピックス

細胞内Ca2+濃度を測定ずる蛍光プローブ—Fura 2-AM

著者: 喜納兼勇1

所属機関: 1同仁化学研究所

ページ範囲:P.1442 - P.1443

文献購入ページに移動
 原始生命は海で誕生したと考えられている.ヒトの体液のイオン組成も海水のそれときわめてよく似通っていて,Na2+,Cl,Ca2+,Mg2+を含む.細胞内では細胞の内から外への排出ポンプによってNa,Ca2+は逆に低く抑えられており,細胞外のCa2+濃度が1〜2mmol/lに対し,細胞内では0.1μmol/l程度にすぎない.細胞はこの極端な濃度勾配を細胞が生きていくうえでの信号の担い手として,巧みに利用している.
 細胞機能の発現にCa2+の果たす働きとしてよく知られている例は,筋肉収縮時のメッセンジャーとしての役割であろう.神経からの刺激が筋細胞に伝わると,筋小胞体から放出されたCa2+がカルシウム受容蛋白質に取り込まれ,急激な構造変化を起こす.これがアクチンとミオシンの反応のきっかけとなって筋収縮が起こる.キレート剤を用いてCa2+を取り去ると筋肉は弛緩する.ホルモンの作用のメカニズムでも情報伝達の仲立ちにCa2+が関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら