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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻12号

1989年11月発行

トピックス

ヒトパピローマウイルスと癌

著者: 横田治重1

所属機関: 1東大・産婦人科

ページ範囲:P.1540 - P.1541

文献概要

 ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)は,約8000塩基対の2本鎖DNAを遺伝子とするウイルスで,近年,子宮頸癌などいくつかの悪性腫瘍の発生との関連について注目を浴びてきた.同じパピローマウイルスには,ウシ,ウサギなどを宿主とするものも存在し,これら動物を宿主とするパピローマウイルスは,宿主に良性腫瘍であるパピローマ(乳頭腫)を作り,それらの悪性化に関与することが確かめられていた.
 一方,ヒトにおいても,皮膚科領域の疣贅や男女の性器に好発する尖圭コンジローマで電子顕微鏡的にウイルス粒子が検出され,HPVがこれらの良性腫瘍の原因であることが推測されていた.しかし,HPVは宿主動物および細胞特異性が強く,通常のウイルス学的研究手段(分離培養,血清学的診断など)を応用することができず,1970年までには,HPVとヒトの腫瘍との関係については,詳しい研究はなされなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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