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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻13号

1989年12月発行

文献概要

マスターしよう検査技術

黄色ブドウ球菌のファージ型別法

著者: 井上松久1 大久保豊司1

所属機関: 1群馬大学医学部附属薬剤耐性菌実験施設

ページ範囲:P.1611 - P.1615

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ファージ型別の背景と意義
 黄色ブドウ菌球は,そのほとんどが溶原菌である.したがって,菌をマイトマイシンCや紫外線処理することにより,そこから活性あるファージ(プロファージ)の誘発が容易にできる.溶原菌に同種,類縁のファージを外から感染させても,免疫性があるため菌は溶菌しない、この溶原性を利用し,自然界から集めたファージを純化し,その宿主域や溶菌域を詳しく調べることにより,各ファージの群分けが可能となる.この群分けされたファージを型別ファージセットとし,現在4群23種の標準型別ファージ(表1)が用いられている.これらは黄色ブドウ球菌の由来や起源が同じか否かなど,疫学調査のために利用可能である.
 なお,この型別ファージは,国際型別ファージ委員会本部から各国機関に送られており,わが国においてはわれわれの施設がそのセンターとして,各施設の要請に応じ分与を行っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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