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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻13号

1989年12月発行

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トピックス

血中下垂体抗体

著者: 小林功1

所属機関: 1群馬大中央検査部

ページ範囲:P.1640 - P.1641

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 最近,下垂体抗体の高感度測定法が,杉浦ら1,2)により確立されたので,自験例を含めて紹介したい.
 ある症例の血液中に下垂体抗体が検出される場合には,下垂体を場とするなんらかの自己免疫機転が生じていると推察される.1975年頃から主としてBottazoら3)一派を中心として,各種内分泌疾患の患者血中に,プロラクチン分泌細胞をはじめ,GH,LH,FSH分泌細胞に対する自己抗体が検出されること,さらにヒト下垂体凍結切片を抗原とする血中自己抗体がインスリン依存型糖尿病(IDDM)の16.6%に見いだされること,などが明らかになり,これらの病態における自己免疫の関与が示唆されるようになった.このような一連の研究成果を契機として,自己免疫性多臓器性内分泌障害(autoimmune polyendocrinopathies)という疾患概念が現在成立するに至っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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