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血中下垂体抗体
著者: 小林功1
所属機関: 1群馬大中央検査部
ページ範囲:P.1640 - P.1641
文献購入ページに移動ある症例の血液中に下垂体抗体が検出される場合には,下垂体を場とするなんらかの自己免疫機転が生じていると推察される.1975年頃から主としてBottazoら3)一派を中心として,各種内分泌疾患の患者血中に,プロラクチン分泌細胞をはじめ,GH,LH,FSH分泌細胞に対する自己抗体が検出されること,さらにヒト下垂体凍結切片を抗原とする血中自己抗体がインスリン依存型糖尿病(IDDM)の16.6%に見いだされること,などが明らかになり,これらの病態における自己免疫の関与が示唆されるようになった.このような一連の研究成果を契機として,自己免疫性多臓器性内分泌障害(autoimmune polyendocrinopathies)という疾患概念が現在成立するに至っている.
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