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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻13号

1989年12月発行

文献概要

トピックス

カダベリンを含まない尿中総ポリアミンの測定

著者: 眞重文子1

所属機関: 1東大検査部

ページ範囲:P.1641 - P.1643

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ポリアミンについて
 ポリアミンは,一級または二級アミノ基を二つ以上持つ脂肪族炭化水素の総称で,生物界に広く存在する.現在,天然に見いだされているポリアミンは,18種類(誘導体は除く)に及ぶが,人体に存在するポリアミンは少なく,プトレッシン(Put),カダベリン(Cad),スペルミジン(Spd)およびスペルミン(Spm)が主たるもので,そのほかに1,2-ジアミノプロパンがごく微量に存在する.プトレッシン,スペルミジン,スペルミンはオルニチンから,カダベリンはリジンから生合成されるが,人体ではカダベリンの合成経路は見いだされていない.そのため,人体液中に見いだされるカダベリンは食事あるいは腸内細菌由来とされている.
 健常者体内でのポリアミンは,精液中に最も高濃度に含まれ,さらに骨髄,肝臓など増殖の盛んな組織にも多く含まれるが,尿中および赤血球中には少量で,血漿中にはごく微量にしか存在しない.ポリアミンの存在形態は,精液,組織および赤血球中では主に遊離型であるのに対し,尿中および血漿中では主にアセチル抱合型として存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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