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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻2号

1989年02月発行

トピックス

血漿グリコカリシン

著者: 久米章司1 尾崎由基男1

所属機関: 1山梨医科大学検査部

ページ範囲:P.200 - P.201

文献概要

 他の細胞と同様に,血小板膜には多数の糖蛋白が存在する.これらの血小板膜上の糖蛋白は,細胞外情報の受容体として働き,血小板機能と密接な関係を有している.その代表的なものの一つにglycoprotein Ib(GPIb)がある.GPIbは,α鎖とβ鎖がS-S結合で結ばれている,分子量170000(α鎖150000,β鎖23000)の糖蛋白1)である(図).
 GPIbは,血小板膜上に多数存在し(約25000個/1個血小板),血小板が内皮下組織に粘着するとき,あるいはリストセチン処理時に,von Willebrand因子の血小板受容体2)として働き,止血機構の最初の段階である血小板の内皮下組織への粘着に重要な役割を果たしている.リストセチン凝集が低下し,血管内皮下組織への血小板粘着も著減しているBernard-Soulier症候群では,このGPIbが欠如している.またGPIbは,トロンビンの受容体としても働いているが,酵素としてのトロンビンの基質としてではなく,トロンビン凝集反応を促進する作用を有すると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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