icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻2号

1989年02月発行

文献概要

けんさ質問箱

ブロメリン法,間接抗グロブリン試験法の意味

著者: 小松文夫1 M子

所属機関: 1東京医科歯科大輸血部

ページ範囲:P.204 - P.205

文献購入ページに移動
問 通常,交差適合試験では,生食法→ブロメリン法,アルブミン法→間接クームス法を実施するように提唱されていますが,それぞれの方法を行う臨床的意義は何なのでしょうか.また,この場合,間接クームス法の結果(+,-)で輸血ができる,できないの判定をしてしまいがちですが,それでよいのでしようか.もしよいのだとすると,ブロメリン法,アルブミン法の実施・判定は意味のないものに思われるのですが.(神奈川県・M子)
答 交差適合試験の意味は,輸血によって生体内で血球破壊を引き起こす可能性のあるすべての抗体をチェックすることにあるので,これらの抗体をチェックしうる方法として,もっとも感度のよい方法を行うのでなければなりません.赤血球抗体には種々の抗体があり,抗体によってはその反応の特性がかなり異なる場合があり,そのため,一つの方法で抗体をチェックしようとすることは不可能になるわけです.通常の交差適合試験は,食塩液法,酵素法(主としてブロメリン法),それに間接抗グロブリン試験法(以下,クームス法と略す)を併用して行い,それに施設によっては血清法(アルブミン法)も行っているでしょうが,これらは上記のすべての抗体をチェックするという目的で行っているわけです.このうちでもっとも感度のよい方法といえば,クームス法といえるでしょう.したがって,クームス法さえ行えば十分ではないかとの意見は当然出てきます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら