マスターしよう検査技術
活性化部分トロンボプラスチン時間の測定
著者:
久保田勝秀1
牧野幹男2
所属機関:
1旭川医科大学附属病院検査部
2旭川医科大学臨床検査医学
ページ範囲:P.387 - P.392
文献購入ページに移動
内因性疑固因子に関する検査は全血凝固時間に始まり,カルシウム再加試験,そして乏血小板血漿に血小板第3因子と類似のリン脂質とカルシウムイオンを加え血友病などの凝固因子欠乏症に鋭敏に反応する部分トロンボプラスチン時間(PTT)の検査法がLandwell(1953)により確立された.その後,この方法では検査以前に起こる接触因子の不十分な活性化に起因する測定値の変動が見られたので,従来のPTTの反応系に陰性荷電を持つカオリンを加えて接触因子を十分に活性化させることによって,安定性の高い検査法にProctor(1961)らによって改良された.本法は活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)として,内因性凝固系に関与する凝固因子のスクリーニング検査法に広く用いられてきた.現在は市販のキットが数社から発売されており,それぞれリン脂質の組織,活性化物質,塩化カルシウム濃度などにそれぞれ違いがあるが,基本操作は同様なので,以下,用手法について解説する.