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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻4号

1989年04月発行

文献概要

検査ファイル 項目

寒冷凝集素価

著者: 望月照次1 石井規子1 平沢政人1

所属機関: 1昭和大学医学部附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.398 - P.399

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 寒冷凝集素(cold agglutinin)とは,4℃付近で自己またはO型赤血球を凝集させる抗体のことで,この凝集塊は37℃に加温すると消失する.すなわち,寒冷凝集素は温度に対して可逆的な反応態度を示す抗体で,その免疫グロブリンクラスはIgMに属する.この寒冷凝集素は1式血液型と深い関係があり1),I型赤血球と反応する寒冷凝集素を抗I,i型赤血球と反応する寒冷凝集素を抗iとし,寒冷凝集素を報告する際には両者の鑑別を必要としている.周知のように,I(individual)式血液型は加齢による変化が知られ,臍帯赤血球や生後間もない新生児赤血球ではi型抗原を豊富に有するが,生後約18か月ぐらいでI抗原に転化し,以後,成人赤血球ではI抗原が優位となる血液型である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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