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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻4号

1989年04月発行

文献概要

トピックス

ケラチン陽性肉腫

著者: 恒吉正澄1

所属機関: 1九大第二病理

ページ範囲:P.415 - P.416

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 細胞の胞体内には細胞質内小器官,限界膜といった構造の外に線維成分を構成する細胞骨格(cytoskeleton)が存在する.この細胞骨格は電顕的に直径6nmの細線維,10nmの中間径フィラメント,24nmの微小管に大別される.ケラチンはその中間径フィラメントの5種類の中の一つで,他は間葉系細胞に見られるビメンチン,筋細胞のデスミン,神経細胞のニューロフィラメント,星状膠細胞のglial fibrillary acid protein(GFAP)である.
 ケラチンは分子量の異なる多くの種類が知られており,種々の上皮細胞に含まれる蛋白で,全身の上皮細胞に広く分布している.ケラチンの抗体は多クローナル抗体(DAKOのwide keratinなど)および単クローナル抗体(ENZOのcytokeratin 902,903など)が市販されているが,それぞれの抗体の性質と分布様式を把握したうえで,免疫組織化学的にその局在を証明することにより病理診断に役だつ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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