検査と技術17巻5号

1989年05月発行

技術講座 血液

スライドテストによる凝固検査

著者： 喜多悦子¹²

所属機関： ¹国立病院医療センター国際協力部 ²（現）：UNCEF-Afghan Programme Office・Peshawar Pakistan Project Offier

ページ範囲：P.451 - P.454

サマリー
　件数からみれば，現在および今後の凝固検査は，脳・心血管系の動脈血栓およびDIC，肺梗塞，その他の静脈血栓など，あらゆる血栓症の診断とそれらの抗凝固・線溶治療のモニターとして利用される頻度が高くなる．これらの病態は，緊急で，しかも致命的であるか，または重篤な後遺症をのこすことが多い．診断と治療効果のモニターには，正確かつ迅速な検査情報の提供が求められる．凝固活性化のマーカーとしては，トロンビン活性をFMsの検出テストで，線溶系のモニターとしては，FDPの検出を各種のスライドテストでそれぞれ迅速に行うことはこのニードを満たすものと考える．