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文献詳細

雑誌文献

検査と技術17巻5号

1989年05月発行

文献概要

技術講座 一般

胃液検査

著者: 菊池亮1

所属機関: 1産業医科大学医療技術短期大学

ページ範囲:P.471 - P.476

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サマリー
 胃液酸度の測定法としては,従来pH指示薬を用いたTöpfer-Michaelis法が広く用いられていたが,化学理論上および技術的にいくつかの難点があり,近年は,滴定終末点をpH7.0として,pHメーターを用いた滴定法が胃液酸度測定法として普及している.
 胃液中の電解質は,胃酸分泌刺激前および刺激後においても,陽イオン濃度の総和と陰イオン濃度の総和は等しく,すなわちH+Na+K=Clの関係は一定であり,電気的中性が保たれている.この関係に着目した電解質濃度から胃液酸度を算出する《間接的胃液酸度測定法》は微量の胃液量で酸度測定が可能であり,従来,胃液分泌量が少なく,十分な検討がなされていない胃部分切除または迷走神経切断後の残胃の胃液分泌機能を知るうえにも有用と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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