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悪性線維性組織球腫(MFH)
著者: 橋本洋1
所属機関: 1九州大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.498 - P.499
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悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;MFH)は,以前は比較的まれな肉腫として分類されていたが,WeissとEnzinger(1978)はこれを線維芽細胞様細胞と組織球様細胞とを種々の割合で有する未分化で多形性の肉腫と解釈し,中高齢者ではもっとも頻度の高い肉腫であることを指摘した.MFHは,九州大学第二病理(主任,遠城寺宗知教授)で収集された軟部悪性腫瘍1018例中261例となり,26%を占めてもっとも頻度の高い軟部肉腫となる.なお,この中には,従来決定的な根拠なく安易に多形型の横紋筋肉腫や脂肪肉腫と分類されていたもの,または分類不能として片づけられていたものが含まれ,これらが臨床病理上合理的に本腫瘍として処理されるようになった.本腫瘍は骨腫瘍としても昨今注目を浴びているが,ここでは数の多い軟部の同腫瘍を中心に記述する.
悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;MFH)は,以前は比較的まれな肉腫として分類されていたが,WeissとEnzinger(1978)はこれを線維芽細胞様細胞と組織球様細胞とを種々の割合で有する未分化で多形性の肉腫と解釈し,中高齢者ではもっとも頻度の高い肉腫であることを指摘した.MFHは,九州大学第二病理(主任,遠城寺宗知教授)で収集された軟部悪性腫瘍1018例中261例となり,26%を占めてもっとも頻度の高い軟部肉腫となる.なお,この中には,従来決定的な根拠なく安易に多形型の横紋筋肉腫や脂肪肉腫と分類されていたもの,または分類不能として片づけられていたものが含まれ,これらが臨床病理上合理的に本腫瘍として処理されるようになった.本腫瘍は骨腫瘍としても昨今注目を浴びているが,ここでは数の多い軟部の同腫瘍を中心に記述する.
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